【ミリマス】七尾百合子「素敵な勘違い」

14pt   2017-10-12 18:00
プロデューサーさんっ!SSですよ、SS!-アイマスSSまとめ

1: ◆Xz5sQ/W/66 2017/10/12(木) 01:42:55.55 ID:IHqxgeJQ0
===1.

まず初めに、どれほど冷静沈着な人だって誤解をすることってありますよね。

人間誰しも理解しているごく当たり前のことだけど、
誰が、いつ、どんな風に物事を勘違いしてしまうかまでは……残念ながら、予測するなんてできないのだ。

さて……その日、私こと七尾百合子はウキウキとした足取りで劇場廊下を歩いていた。
手には昨日読み終わったばかりの話題作、『人の振り見て我が振り直せ』を持っていて――

あっ、この『人の振り見て我が振り直せ』は青春学園小説の傑作『ことわざ部』シリーズの最新刊。
一癖も七癖もあることわざ部員が集まる部活に毎回学園の生徒が悩み事を持ち込んでくる形で
ストーリーが展開するタイプのお話で、笑いあり涙ありバトルあり、時にシリアス時にロマンス、
もう現役学生なら絶対に、一度は読まなきゃ青春時代の半分以上を損してる――っとと! ストップ!!



2: ◆Xz5sQ/W/66 2017/10/12(木) 01:47:27.55 ID:IHqxgeJQ0

「……あー、ダメダメ百合子。また一人で暴走しかけてた」

廊下で立ち止まり深呼吸。

好きな本のことを考えるとほんのちょっぴり少しだけ、勢いづいちゃうのは悪い癖――

この『ことわざ部』シリーズに出て来る冷静沈着な主人公のように、いつもいつでも平常心でいなくっちゃ。

……今回のお話にしてもそうだ。

一見平和そうなクラス、しかし裏では巧みにカモフラージュされたとある女生徒に対するいじめ問題が深刻化。

いじめられてる被害者の唯一無二の親友が彼女の微妙な変化を怪しみ
『ことわざ部』部室の扉を叩くところからこの物語は動き出し……

コンコンコン。
扉を三回ノックすると、古びた木製扉がギシギシ音を立て開けられた。

「はい?」

そして相談に来た私のことを出迎えたのは、小学生に見間違えちゃいそうなほど背の低い女の子。
童顔って言ったらいいのかな? 結構可愛い顔してる。

3: ◆Xz5sQ/W/66 2017/10/12(木) 01:50:29.63 ID:IHqxgeJQ0

「すみません、手紙を出した者ですが……」

「ああ、アナタが今回の依頼人? ……なんだか間抜けそうな顔」

けどこの子、見た目の割に口が悪いぞ。

彼女に招き入れられると、私の視線は誇りっぽい部屋の中央にデンと置かれた机へと吸い寄せられていた。
もっと正確に言うならば、机そのものではなくてその上に組み立てられたトランプタワー。

「めっ! ですよ、副部長。その口のきき方はお客さんに対して失礼です」

そしてそのトランプタワーを作っていた、噂の『ことわざ部』の部長……くせっ毛ショートの髪型に、キッチリ着こなしてる制服。
彼女の姿はまるでそう、生徒会委員のようにカッチリした――きゃっ!?

「あ痛っ!」

突然感じた衝撃に、目の前から掻き消えるトランプタワー……だけじゃない。
教室も、木製校舎の木の匂いも、放課後の日差しも私の前から消え去って……うん? でも部長とあの子は消えてない。

「あいたたたぁ……あれ?」

劇場の廊下に尻もちをついた私と同じ体勢で、「ちょっと百合子さんドコ見てるの!」なんてあの口の悪い子が怒ってる。
そんな彼女の隣には、私たち二人に手を差し伸べる瑞希さんがスラッと立っていて。

「お二人とも怪我はないですか? ……よそ見してると危ないぞ」

「瑞希さん、よそ見してたのは桃子じゃなくて――」

「ごめんなさい副部長さん! 私、また物語の中に飛んじゃってて」

「――百合子さんの方だけど……ってゆーか副部長ってなに? 桃子は桃子なんだけど」

4: ◆Xz5sQ/W/66 2017/10/12(木) 01:53:45.33 ID:IHqxgeJQ0

瑞希さんに支えられながらゆっくりお尻を持ち上げる。
それからスカートの埃をパタパタ掃い、私は床に落としちゃった本を拾い上げた。

「ああ、ごめんね桃子ちゃん。副部長って言うのはこの『ことわざ部』シリーズに出て来る女の子で――」

そうして説明を始めようとしたら、瑞希さんが嬉しそうに両手を頬に添え「なんと、七尾さんもそのシリーズを?」

「えっ? もしかして瑞希さんも?」

「はい。少々ご縁がありまして、全巻うちに揃っています」

「ホントですか! ……嬉しい! こんな近くに読んでる人がいるなんて!」

「見たところ七尾さんがお持ちのそれは最新刊。私も今読み進めている途中でして――」

そのまま読書談義が開かれようとしたところに副部長――じゃない、桃子ちゃんが割って入って来る。

「百合子さん瑞希さんこっち向いて! 桃子のことを無視しないの!」

でもこの台詞が彼女の口から出た瞬間、私と瑞希さんは顔を合わせて頷いてた。


「出ました、副部長の例のアレ」

「自分が蚊帳の外に置かれると、怒って注意を引くんですよね!」

「部で唯一の三年生。なのに時々子供っぽい副部長……萌え」

「そうそうそれですそうなんです! だから普段の口の悪さも許せちゃう♪」

そして私たちの会話は弾みだし……。

その間、桃子ちゃんはずーっと不機嫌そうな顔をして私と瑞希さんの会話を聞いていたんだけど、
別れ際には眉間にしわを寄せながらこう言ったの。

「百合子さん……その、『ことわざ部』シリーズとか言うの」

「うん、この本のシリーズがどうかした?」

「……小学生でも読める本? ……えっと、その、漢字的に」 c?ro=1&act=rss&output=no&id=7493953&name
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